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その声、いずれ真実。

水の声を聞く

8月9日、特別試写会
水の声を聞く』を観た!

在日韓国人のミンジョン。
彼女はイカサマの巫女である。

最初は、金稼ぎのためだった。
軽い気持ちで、“水の声”を聞いてみたりして。
迷える人たちに、お告げをしてみたりして。

突き離せない。
一度でも、救いの手を差し伸べたなら。
引き返せない。
人間の弱さは、信じるものを真にする。

山本政志監督の挑戦的な1本。
若手キャストを主軸に置きつつ、脇役の演技も光る。
テーマ性は充分。
この物語を、是とするか非とするかは、ココロの余裕次第か。

8月30日(土)、公開。

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人は祈る。
今ある現状が、自らの力で変えられぬ時。
神でも仏でも、なんでもいい。
運命よりも強い存在を、信じることが救いになる。

人は集う。
同じ痛みをもった人が、いるところへ。
たった自分だけの、痛みではないと感じたい。
誰かと一緒に信じることが、“真実”だと思いたい。

彼女は、恰好だった。
水の声を聞く
その存在は、現実味がある。
その言葉は、安らぎがある。
その形(なり)は、清らである。

人は必ず、何かを信じている。
それは自分自身かもしれないし、
親や先生、友達、偉人、憧れの人かもしれない。
信じることで、人は歩んでゆける。

だから、宗教は絶えない。
あらゆる形がありえる。
すべてが“真実”。
すべてが相容れない。
それでいて、起源が同じ。
信じる人で、成り立つ。


信じる人は、
信じることを裏切られた時、
豹変する。

宗教は、歩みの支えであれば、
誰もその存在を否定することはできない。
しかし、裏切られた時、それを逆恨むことは、
まったく矛先がまちがっている。
期待したのは、自分の勝手で、責任である。

また、誰かの信じるものを否定し、
改めさせることも、まったくまちがっている。
今なお世界中で続く宗教的争いは、
やっぱりとってもまったくまちがっている。


宗教にすがることは、弱さか。
否、人は誰もが弱い。
宗教を理由に判断することは、疎さか。
否、人は誰もが疎い。
誰もが正しくなく、
信じる限り、
誰もが正しくある。


宗教を興す人も、
正しくなく、正しくもある。
誰かが信仰すればするほど。
そして、イカサマであり、シンジツでもある。
誰かが信仰すればするほど。
水の声を聞く
この祈り、誰が為。



物語の大流は、“信じること”の脅威。
善くも悪くも、凄まじい力を持つ。
本作ではそのテーマを、克明に描く。

そして宗教団体の裏であり、真の姿も描く。
それは漠然とした肯定でもなく、否定でもない。
想定と疑念と畏敬。
山本監督自らが書いた脚本だからこそ、
そのビジョンは明確であった。

だからこそ、テーマを分散させてほしくなった気持ちがある。
済州島四・三事件にまで及んだことは、
やや手を広げ過ぎたようにも思う。
とはいえ、動機づけと考えると、それ以上は浮かばない。

しかし、あそこまで、汚す必要があったのか。
単なる作り手の、“美的”欲望にも見えてしまうのは、
自分が女性であるがゆえ、余裕がないからか。

残念なことは、音の悪さ
録音が思うようにうまくいかなかったことと、
音量がシーンによってまちまちであったこと、
そして音楽の使い方があまりうまくなかったことが、
作品への集中を途切れさせてしまった。

映像の切り替え(場面切り替え)も、やや粗雑。
脚本は良いはずなのに、
撮り方や編集のせいで安く見えてしまった。

もちろん全部が全部が悪いわけではなく、
滝での祈りのシーンでは、
ロケーションにこだわっただけあって
映像編集にも最も力を入れており、迫力があった。
音響との組み合わせ方も、高揚するほど上手かった。

そして、懸命に。
出演者の演技は、自然で、迫真だった。
大作であればあるほど、
実力のない者が、宣伝目的で出演することがある。
本作はそれがなく、
必要最低限の役者が、必要な分をしっかり演じ切っていた。
特に主演を務めた玄里(ヒョンリ)さんの演技は、非常に集中力が高い。
彼女が一貫していたからこそ、この映画は成功したとも言える。
玄里さんが演じるミンジョンの
父親役:鎌滝秋浩さんのセリフ回しも、とても面白かった。

まだ発展途上中の役者も、
他の出演者と支えあっての演技で、好感度は高い。
互いの演技に引き込まれあいながら、
ひとつのシーンとして、まとまっていたと思う。
良い意味で“だいこん役者”は、演技に説得力があると改めて感じた。
口先や見せかけだけの演技では響かない。

試写会の舞台挨拶では、
山本監督と、出演者のひとり村上淳さんが登場した。
村上淳さんかっこよかった。村上淳さんかっこよかった。(2回言う。)
(いや、)村上淳さんかっこよかった。(3回言いたい気分。)
本編でも、村上淳さんは危険な魅力があって、大変


山本監督の作品を観たのは、
失礼な話、本作が初めてであった。

そのため、傾向も、他作品との比較もできない。
しかし少なくとも、壇上で話している様子を見た限り、
とても照れ屋な方なんだろうなと。
まともなテーマを“まともだけ”で撮るには、照れる。
だからどこか荒々しさを入れてみたりするのだろうと。

現場ではとても厳しそうな監督だと想像できたけれど、
(照れゆえの)ユーモアもある印象で、
初めて作品を観た割には、
山本監督の人間性に好感を覚えて、
作品に対して寛く臨めたように思う。
映画館で邦画(実写)を観たのは、本当に久しかったから、
どんな批判ばっかり頭に広がるかと思ったけれど、
自分でも予想外にあれこれ勉強させてもらった。

そういった意味では、特別試写会に招待いただいたことが
非常に嬉しく、楽しかった。
思うがままに鑑賞レポートを書いてはみたが、
結局のところ、
作りたいものを作っている人ほど、
尊敬する存在はなく、
そして映画というものを、ものすごく信じているのであった。



8月30日(金)より、ロードショー。
価値観としては自宅鑑賞で良いかなと思うが、
応援したい作品ということでは、
ぜひとも映画館へ足を運んでほしい。

ところで、ミンジョンが宗教団体へ関与するようになったきっかけは、
何か別の作品で描かれたりしたのであろうか?
(例えば昨年公開された『水の声を聞く−プロローグ−』で?)
予告編を観た印象では、
ミンジョンが巫女になった時の様子も本編で描かれるものだと思っていたが、
それがなかったので、いきさつがとても気になる。
気になる理由が、“ミンジョンに惹かれているから”だとしたら、
この映画は恐い。

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